東洋はり灸整骨院の石丸です。
今回は、喘息についてお話させていただきます。
喘息は西洋医学では良くならない?
喘息というと、
- 咳(せき)
- 痰(たん)
- 喘鳴(ぜんめい:呼吸時に出るヒューヒュー、ゼーゼーすること)
などが主な症状です。
早朝や夜間に起こりやすく目が覚めてしまう、あるいは少し運動するだけで呼吸が苦しくなるため、日常生活を送るのが困難です。
小児喘息が改善せず成人喘息になる人が多いことからも、西洋医学(病院)では根本的に改善することが難しい病気であることがわかります。
大人の有病率は3~5%といわれていますが、世界的に見ても増加傾向にあります。
子供の頃に発症し、成長とともに自然によくなることも多いとされていますが、環境汚染やハウスダストなどが原因となり、成人になっても改善しない、あるいは成人になってから発症する例が増えています。
喘息の主な治療法
西洋医学では投薬がほとんどで、起きた発作を止める薬と、発作を事前に抑制する長期管理薬に分かれます。
- 気管支を拡張する薬
- 抗アレルギー薬
- 吸入ステロイド薬
などが使用されていますが、あくまで喘息の発作を止めるだけで、喘息の症状を根本改善する薬はありません。
もちろん、重度の発作は命に係わることもありますから、即効性のある「短時間作用性吸入薬」などの西洋医学の薬は必要です。
しかし、薬は副作用があります。長期間使用していることでデメリットを生ずる場合があるということを忘れてはなりません。続けて、このデメリットについてご説明します。
医薬品の長期使用は危険?
医薬品はすべて合成された化学物質です。主に石油の副産物から生成されており、人間の体が胃腸、肝臓などに一切負担をかけず吸収できるものではありません。
日本に西洋医薬が入って来るようになったのは江戸時代中期で、明治維新以降に広まったとされています。しかし化学合成された医薬品を、たった150年で人間の体が完全に受け入れられるようになるわけがありません。
副作用
また、現在喘息の長期施術薬として一般的に使用されているステロイドには、
- 高血圧
- 骨粗しょう症
- 肥満
などの副作用があります。
強力な抗炎症作用があり、アレルゲンによる刺激で発作が起きることがなくなる上、最近投与されているものは副作用が減っているそうです。しかし症状が重い場合や緊急を要する場合は、窒息死を防ぐためにステロイドの投与量が増えますから、副作用のリスクは一気に高くなります。
他の薬にも、
- 動悸
- 手の震え
- 頭痛
- 胃腸障害
などが起こりやすいとされています。
喘息薬に限りませんが、長期服用は非常に弊害が大きいのです。
喘息の発作は人によって違う
喘息の症状や出る時は、人によってかなり違います。
- ベッドに入ってしばらくすると喘息が起きる
- 天気が悪いと息苦しくなる
- 季節の変わり目や温度差が激しい時に発作が起きやすい
- 風邪を引くと喘息の発作がひどくなる
- たばこの煙やハウスダストに反応してしまう
同じ喘息でも症状が出るタイミングが違うのは、体質が人それぞれ違うからです。
しかし西洋医学の薬は、喘息の原因をタイプ別にして処方するわけではありません。喘息の回数と呼吸機能によって重症度を決定し、それに合わせて治療を行います。そのため、根本的な改善がますます難しくなるのです。
東洋医学は根本原因からアプローチする
東洋医学では、喘息は肺が弱っているために起こる典型的な症状の一つと考えられています。
はじめは外からの刺激によって起こり、長く続くことで肺の機能が衰え、さらに肺と相関関係がある脾(消化吸収を司り、水分をコントロールする作用がある)が影響を受けるのです。
そこで、東洋医学では肺の機能を高める鍼灸施術を行います。
喘息というのは症状の一つであり、体質を改善することで肺の機能そのものを強化し、喘息の発作を改善していくのです。
喘息以外の症状もしっかりみる
東洋医学で「肺が弱い体質」というと、喘息だけが症状に出るわけではありません。
- 便秘
- 腹痛
- 冷え性
- 乾燥肌
- アトピー
- 湿疹
などの症状を持つ方は多く、円形脱毛症に悩む人もいます。
その中でも特徴的なのが、汗のかきかたです。手のひらが湿っている、手足に汗をかくという方が多いのは、脾が影響を受けて水分のコントロールができにくくなるからです。
そのほかにも、
- 朝調子が悪い
- 腰痛や首が痛い
- 頻尿
- 歩き出す時に足が痛い
といった症状も、肺が弱い人に多いというのが東洋医学の見解です。
こういった症状と喘息を合わせて方一人一人の体質や生活環境を考え、総合的に判断して鍼灸施術を行います。
西洋医学と東洋医学の違い
西洋医学は戦争とともに発展した医学です。そのため、死ぬか生きるかといった場合の外科は素晴らしい発展を遂げていると思います。また、伝染病のように一刻を争う病気も西洋医学は得意です。
しかし、個々の体質や体の不調、不定愁訴といったことに関しては決して研究が進んでいるとはいえません。また、体を各パーツに分け、それぞれの分野でその分野だけの研究をします。そのため、喘息の人が肩こりを訴えれば、整形外科でみてもらうように言われてしまうのです。喘息と肩こりがつながっているという発想は、西洋医学にはないのです。
しかし、人間の体はつながっていると考えるのが東洋医学です。ある原因があり、その結果として色々な症状が出る、という考え方です。今ある現象だけを見るか、現象から原因を探るかの違いといえるかもしれません。
喘息についての解説動画
小児鍼の施術風景
おわりに
ご存知の方もいらっしゃると思いますが、世界トップのフィギュアスケーター羽生結弦選手は、喘息持ちです。彼は毎日、自分で鍼を打って激しい練習に臨んでいるそうです。
たとえ喘息体質を持っていても、東洋医学の鍼灸によって肺の機能を高め、100m全力疾走を30本休みなくするのと同じくらいの体力を使うフィギュアスケートを続けていけるのです。
薬に頼らず、体質を改善するには、東洋医学で肺の機能を高めるのが一番です。
今現在、「喘息の症状でお困りの方」「喘息や小児喘息でつらい思いをしている方」は、ぜひ一度東洋医学専門の鍼灸院である東洋はり灸整骨院にご相談ください。東洋医学の力を知り、薬と苦しい症状から解放できるよう、国家資格を持つスタッフがサポートいたします。