朝起きたときに強い痛みを感じる症状や静止時に痛みがないのに動き出すととたんに痛みが出る症状、動きだしてしばらくして痛みが楽になる症状にお悩みの方は多いはず。
これは、車で譬えると、アイドリングが悪い状態。信号待ちをしている間アイドリングをして、アクセルを踏むとガクガク動き始めるのに、走り出すと問題ない――これは、エンジンは壊れておらず、構造的な欠陥がないのに循環が悪いという、機能の問題です。
不通則痛(ふつうそくつう)
循環の悪さが原因でさまざまな症状が出ていることを、東洋医学では「不通則痛」(通らざればすなわち痛みが出る)と言います。そして、その症状を改善できるのは東洋医学以外にはない――そう私は考えています。
こういった場合、構造的な問題から入ることで症状が改善するというケースもないわけではありませんが、ほとんどの場合さほど効果がないでしょう。
車と道の流れに例えると
構造的な問題から入って症状が改善する見込みがある人の身体を道にたとえると、少しくねくね曲がった状態です。真っ直ぐな道路のほうが車の流れはよいはずですが、少しくねくねしていると真っ直ぐな道よりは流れづらい。大きな問題があるわけではないけれど、真っ直ぐな道よりは流れづらいという状態が、身体の痛みが出る少し手前の状態だとお考えください。
本来通るであろう車の流れを100とすると、ある道は少し曲がっていて90程度しか流れなかったとします。これは、90%の力しか発揮できない状態です。この道に少し手を加えて、真っ直ぐな状態にすると、流れは100%の状態に。これが、痛みはないのに力が発揮できない方の構造物に手を加えて症状が改善するということです。
ただ、そもそもの車の流れが80程度しかなく、道も曲がっていて30ほどしか流れないという道があったとします。この道にどれだけ手を加えて真っ直ぐにしても、上限は80です。これは、構造的な問題とは言えません。そもそもの車の流れを100に近づけることが大切になるのです。
静止時の痛み
また、機能的な問題は、静止時の痛みとも関連します。静止時に何かしらの痛みがあるというのは、信号待ちをしている間や動き始めに調子が悪く、走りだしたらどんどん調子が出てくる車のようなもの。アイドリングが悪いのが原因ですが、長く走っているうちにまた調子が悪くなる車もあります。これは、ガソリンがそもそも足りない状態といえるでしょう。
東洋医学は、静止しているときの循環能力を上げる機能面の改善と、ガス欠の両方に対処することができます。朝に何らかの症状が出てお困りの方はぜひ、東洋医学を専門とする鍼灸院にご相談ください。