東洋はり灸整骨院 院長の石丸です。今回は「東洋医学的な花粉症対策」についてお話したいと思います。
時期的に花粉症でつらい方も多いと思いますが、花粉症体質の方とそうではない方がいます。私は花粉症ではないため花粉が飛んでいても何も感じませんが、花粉がとにかくつらい方もいるわけです。
この違いは何かというと、体が違うと考えられます。ですので、花粉症の本当の治療とは花粉症ではない体をつくることです。花粉症ではない体になるためにはどのような方法がよいのかについて東洋医学的な観点でお話しします。
【動画解説】花粉症に効く東洋医学的食用法!
小麦・牛乳を控える
まず、花粉症対策の1つ目は小麦、牛乳を控えてみることです。これは有名な話ですが、当院の患者様にも小麦や牛乳・乳製品を控えたことで花粉症が改善された方が実際にいらっしゃいます。
もちろん、小麦や牛乳をとっていても何の症状もない方もいます。しかし、小麦、牛乳をとることで花粉症体質になってしまう方も一定数いるわけです。ですので、花粉症でお困りの方は小麦、牛乳・乳製品をできることならば一切やめてみてください。
ちなみに私は玄米を食べていますが、パンなどはあまり食べたいと思いません。ご飯の方がおいしく感じるのでパンは一生食べなくても平気だと思っていますが、パン好きな方も多いでしょう。私と同世代や少し上の世代では戦後、学校給食でパン食がすすめられたことでパンを食べる機会が増えました。これがパン好きな方の増加に影響したのかもしれません。
また、牛乳・乳製品も日本人は本来、口にしてきませんでした。さらに日本人は牛乳を分解する酵素であるラクターゼも持ち合わせていないため、東洋医学的には牛乳・乳製品は日本人には合わないと思っています。
白砂糖を控える
2つ目は白砂糖を控えてみることです。東洋医学では慢性症状とは陰と陽では陰に傾いていると考えられています。そして白砂糖は極陰の食べ物とされています。極陰の食べ物をとると体が陰に傾いてしまい慢性状態にもっていかれます。
家では白砂糖をとっていないという方もいますが、お菓子、清涼飲料水、アイスクリームなどを食べてしまっている方は非常に多いです。スーパーなどでもこれらの食品をたくさん買われている方を目にしますが、これはあまりよくありません。
ちなみに三温糖も白砂糖の前段階のものなのでやめた方がよいでしょう。ご自宅で使う場合はてんさい糖やきび砂糖がオススメです。
和食中心の食事
3つ目は和食中心の食事にすることです。人間の体は100%食べ物でできています。和食を中心とした体と欧米食をよくとる体とでは3か月、半年、1年、2年と経過するにつれて違いが出てきます。そして、われわれ日本人に適しているのは和食です。
和食とは「ひらがな」の食べ物ですが、近年では「カタカナ」の食べ物が非常に増えています。スパゲッティ、ラーメン、ステーキ、ハンバーガー、ポテトなどの「カタカナ」の食べ物は代々こういったものを食べてきていない日本人にはあまり合っていません。
体は食べ物からできているので和食中心の食事によって純日本人の体を取り戻すことが重要です。
鍼灸で体を変える
4つ目は鍼灸で体を変えることです。冒頭でもご説明したとおり、本来の治療とは花粉症体質の体を花粉症体質ではない体にすることです。ですので、鍼灸つまり東洋医学の力で体を変えることが非常に有効です。
そもそも東洋医学の治療とは体を変えるものです。喘息の方であれば呼吸器を高めて喘息ではない体にします。腰痛の方であれば腰痛持ちの体質を腰痛持ちではない体質にするわけです。
この体を変えることが東洋医学の治療のすべてなので、花粉症も同様に鍼灸によって花粉症体質ではない体にすることで高い効果が期待できます。
麻黄附子細辛湯等による対症療法
5つ目は対症療法になりますが、麻黄附子細辛湯などの漢方がオススメです。このほかにも小青竜湯など花粉症の対症療法として利用される漢方は多くあります。つらい花粉症の症状はこれらの漢方でしのいでいただきたいと思います。
市販の花粉症薬や病院で処方される抗ヒスタミン薬などでは眠気が出る場合があります。近年では眠気が出ない花粉症薬も増えましたが、薬に対して抵抗感がある方は漢方を選択肢のひとつと考えてみてください。西洋医学の新薬の代わりになる漢方を探して対処していただければと思います。
当院では食生活の指導と鍼治療を行い、麻黄附子細辛湯を使っていただくことで7~8割の花粉症の患者様はしのげています。残りの2~3割の方はほかの漢方でなければ対処できない場合もありますが、かなり効果のある漢方でありネットでも購入ができるのでオススメしています。
花粉症ではない体を目指そう!
東洋医学における花粉症の対策は、食生活の見直しと鍼治療です。そして、それらの対策を続けつつ、つらい年は対症療法でしのいでいくと年々、花粉症ではない体になっていきます。
花粉症ではない体になると対症療法も必要ない体になるので、花粉のシーズンも快適に過ごせるかと思います。