東洋はり灸整骨院院長の石丸です。
本日は、鍼灸師の現状についてお話しします。
鍼灸師の免許について 動画解説
国家資格を活かせていない
何百万の費用をかけてせっかく鍼灸師としての資格を取ったにもかかわらず、鍼灸師として仕事ができていない人が多いのが現状です。
資格を活かさず、マッサージやカイロしか施術していなかったり、まったく関係のない仕事についていたり――これは、とてももったいないことだとは思いませんか。
医療系の免許を取っていながらその仕事に従事しにくいのは、鍼灸師だけです。
- 医師は医師免許
- 薬剤師は薬剤師免許
ですね。理学療法士も作業療法士も歯科技工士もヘルパー2級も、資格がそのまま職業になっている方がほとんどでしょう。
そんな中で、鍼灸師だけが鍼灸師の免許を持っていながら、鍼灸を仕事にしづらいのです。それは、雇用してくれるところが少なかったり、鍼灸業界自体にさほど勢いがないためです。
鍼灸の本当の力
本来、鍼灸には、西洋医学以上の実力があります。大学病院で治せないものを治せることも多いのです。
しかし、これはあくまで東洋医学をしっかりと学んでいるという前提があっての話。ほとんどの鍼灸師は、東洋医学を深く学んできたわけではありません。
なぜなら、鍼灸師の国家試験には実技が設けられておらず、学科においても西洋医学についての科目が八割近くを占めるからです。
私の母校は、「鍼灸の東大」と言われているところでした。国家試験の合格率はトップでしたが、国家試験の勉強だけでは鍼灸師としては全く足りません。
車中での会話を聞いて…
先日電車で移動している最中、おばさま方何人かのお喋りをたまたま耳にしました。
「私、最近気がついたのよ。病院のお医者さんは病気を治せないのよ、治してくれないの」
「自分で治すしかないのよ」
というもので、思わず「その通り！」と口を挟みそうになりました。
- 救急救命
- 外科
- 細菌感染症
- 検査
- Ⅰ型糖尿病
- 透析
といった生死にかかわるところは西洋医学に分がありますが、他の慢性病は全て、東洋医学しか治せないと私は考えています。
医療の最低限の目標「患者さまを治す」「病人を減らす」治療は、東洋医学にしかできないと言っても過言ではないでしょう。
理想の社会
私の理想は、日本中に鍼灸院ができ、鍼灸師が本来の資格を活かしてさまざまな病気を治し、患者さまに頼られる社会になること。
マッサージや整体、往診でのちょっとした鍼灸施術で、
- 耳管開放症
- 潰瘍性大腸炎
- 逆流性食道炎
などの病気を治せるわけではありません。
本来の鍼灸以外のことにうつつを抜かさず、勉強会で学びを深め、東洋医学を極めていけば、鍼ともぐさだけで西洋医学以上に病気を治せると私は考えています。
鍼灸業界がそのことを意識して力をつけ、眠っている鍼灸師たちが鍼灸師として活躍できる世の中を作っていきませんか。