東洋はり灸整骨院 町田本院の石丸です。
本日は、NHK「きょうの健康 東洋医学のチカラ 鍼灸」という番組を観た感想についてお話しします。
まず率直な感想を
令和3年5月12日、NHK で「きょうの健康 東洋医学のチカラ 鍼灸」という番組が放送されました。
NHKでは最近、東洋医学を取り上げていただく機会が増えて大変うれしく思っているのですが、気になる点もありました。それは終始カンペを見ながら話していたことです。
あらかじめ質問の内容と答え方が決まっているような流れだったためか、手の動きや情熱ある表現は見て取れませんでした。ある程度制限された中で発言されているように私には見え、そこが残念でした。
慢性病こそ東洋医学なのに…
番組では「東洋医学は運動疾患だけでなくうつ病にもいいんですよ」と伝えていましたが、終始一貫して医者や病院に対しての配慮が伺えました。
正直、うつ病だけでなくあらゆる慢性病は病院では治りません。高血圧やアトピー、生理痛に偏頭痛など、こういった身近な症状にはやはり東洋医学なんです。それなのにうつ病だけに着目していたところも残念ですし、「あらゆる慢性病は病院では治らないし、東洋医学の方が優位性が高いんだ」くらい言ってほしかったです。
冒頭にも言いましたが、ある一定のしがらみや病院への忖度の中発言している感じですね。私からすると「あらゆる慢性病が病院で治るのか」「例えば潰瘍性大腸炎の原因を言えますか?」と問いたくなりました。病院では100人患者がいても、原因がわからないから100人とも治せないんです。
東洋医学のチカラ
一方、東洋医学なら100人いたら7割近くはよくなると思いますよ。放送基準が年々厳しくなっているのはわかりますが、そこは東洋医学を語る代表者としてしっかり答えてほしかったので、私としては少し寂しく感じました。
もちろんお医者さんはすごいですし、免許的にも頭が良いと思います。はっきり言って、医者と鍼灸師の頭の中身は全然違います。というのも、鍼灸師の免許はそんなに学校の成績が良くなくても取れてしまうからです。しかし、扱っている西洋医学と東洋医学の特質を考えた場合、慢性症状は西洋医学では対応できません。
一方、鍼灸師の扱う東洋医学は慢性病に強い特徴があります。世間的な立場的はお医者さんの方が断然上ですが、実際に慢性病を前にすれば私たちのほうが治療は得意なのです。慢性症状の患者を100人集め、病院の医師と私たち鍼灸師でせーので施術を始めたら、もう全然相手にならないでしょうね。
加えてよく言うのですが慢性病の場合、症状はひとつじゃないんです。今回取り上げられたのはうつ病の患者さんですが、他にもお悩みの症状がたくさんあると思います。例えば、
- 冷え性
- 過敏性腸症候群
- 生理不順
- 眠りが浅い
- 鼻の症状
- 肩こり
- 巻き爪
のように、さまざまな症状があるんです。
西洋医学と東洋医学の違い(余談)
余談ですが、うつ病を主に診察する心療内科って後からできたんです。
元々は精神科がまずあって、精神症状を訴える患者さんは身体の不調も訴えることが多いということで心療内科が誕生しました。このようにうつ病の患者さんって色々な症状を持っているんですよ。
でも病院に行くと過敏性腸症候群は胃腸科、巻き爪は整形外科や皮膚科、生理不順なら婦人科、肩こりは整形外科、眠りが浅いのは心療内科というように科がバラバラなうえ、冷え症は西洋医学では対応できません。だからうつ病は病院では治らないのです。もっと言えば、うつに限らず慢性病は病院ではなく東洋医学なんですよね。これが事実なのですが、しがらみがあって言えないのでしょうね。
加えて解説をしていた先生は、地位はあるけれども毎日患者さんを治してそれで生計を立てている人じゃないですよね。表現が飛躍しますが、対して私たちはもうジャングルの野生で治療しているようなものです。でもあの先生の場合、言い方は悪いですがただの会社員なんですよ。組織の中でお給料もらってるので私達とは制度が違うんですね。
日本は東洋医学が主流だった
もちろん私たちが知らないことを知っているだろうし、社会的権力とかもあるかと思うんですが、実際バンバン患者さんを治しているのは私達の方だと思います。それに、あの先生が分からないことや経験してないことも、私達なら経験しているかもしれません。
一方で私達が知らないしがらみや組織の中の事柄もきっとあるでしょう。しかし、私はやはり東洋医学の復興を願っておりますし、それがこの70年間で200倍に膨れ上がってる医療費の抑制に繋がると確信しています。
というのも、元々明治7年まで日本は東洋医学がメインの国だったのです。しかし明治7年以降、いきなり文化だけでなく、医学も東洋医学から西洋化して西洋医学一辺倒になったんですね。
もちろん私は西洋医学を否定しているわけじゃないんですよ。いつも言っているのですが、東洋医学を和食屋さん、西洋医学を洋食屋さんに例えたとしましょう。
明治7年までは日本の飲食店がすべて和食メインだったのに明治7年以降、いきなり洋食屋さんの店、つまりハンバーガーショップやステーキ屋さん、パスタのお店ばかりになってしまったのです。こう例えると、少しはイメージしやすくなったのではないでしょうか?
とまあ、余談はここまでとしましょう。