東洋はり灸整骨院の石丸です。
塩に体に良い塩と悪い塩があるのをご存知でしょうか?
- 「塩は一種類じゃないの?」
- 「塩分を摂る量が多すぎるのが問題なのでは?」
と思われる方も多いでしょう。
塩は、すべての動物に必要なものです。すべての動物は汗をかくために失われた塩分を補給することが必要で、泥や岩塩から摂取しています。
現代の西洋医学(病院)では、減塩が奨励され、各メーカーも減塩を謳った商品を数多く販売していますね。ですが、東洋医学では「質の良い塩であれば、特に量を気にする必要はない」と考えています。
この差は何なのか?
そこで今回は、体に良い塩についてお話させていただきます。ぜひ毎日の食生活に役立ててください。
体にいい塩とは?【解説動画】
人間に塩が不可欠な理由
人体に含まれる体液は、乳児が体重の80%、成人で60%、高齢者でも50%程度です。この体液は水分と電解質(塩分が水に溶けたもの)でできており、濃度は約0.9%です。
汗や血を舐めると少ししょっぱいことからわかるように、私たちは塩分がなければ生きていけません。
減塩より本物の塩を適量摂ろう
欧米で一般的に使用されている塩は、岩塩を釜で炊いて作るもので、日本でいう精製塩とほぼ同じ成分です。
WHO(世界保健機関)や厚生労働省が警告している「塩分摂りすぎ」とは、あくまでこういった不自然な塩のことで、海水を太陽の熱と風で自然乾燥し、濃縮したものや岩塩を砕いただけのものは別物なのです。
日本では岩塩は採れないため、天然塩は海水から作られます。海塩は岩塩よりミネラルの量が豊富なので、土壌にミネラルが少ない日本人は天然の海塩をもっと積極的に摂るべきなのです。
食塩ができる過程
「食塩」と表記された塩は、化学的に合成された偽物の塩です。
日本は海に囲まれているものの湿度が高く平地の面積も小さいため、塩田を作り自然にまかせて数年かけて塩を作るという方法は難しいとされてきました。
それでも色々と工夫した塩田が作られていたのですが、1965年に「イオン交換膜法」が開発されました。電気の力で塩化ナトリウムを海水から取り出す方式で、石油系の脂膜を入れて作られ、これが専売公社の「食塩」として販売されるようになったのです。
化学的に合成されたものは偽物
私は専門家ではありませんが、こういった方法で作られた塩が不自然なものであるというのはわかります。
この不自然な食塩が、市販されている惣菜、菓子、パン、その他のにも多くの食品に使用されています。簡単に手に入る上、天然海塩に比べて非常に安価なので、今でも多くの家庭で使われているのではないでしょうか。
「毎日使うものだから安くしたい」、というのはわかりますが、安物買いの健康失いになってしまっては元も子もありません。しかも、食塩を減塩したからといって、血圧が下がることはあまりないのです。
実は、高血圧の原因の98~99%は塩分の摂りすぎによるものではないということが科学的にも証明されており、むしろ精製塩や化学調味料がたっぷり入った減塩の塩のほうがずっと体には良くないのです。
良い塩の入手方法
それでは、「自然塩」はどこで手に入るのでしょうか。
最近はスーパーでも「あらじお」や「自然塩」が手に入るようになりました。もっとこだわりたい方は、自然食品店で購入すると良いでしょう。私も利用していますが、「大地を守る会」や「オーサワジャパン」のものなら安心でしょう。
とくにオーサワジャパンの「海の精ほししお(青)」は日本で初めて天日製塩法で作られ、伊豆大島の清浄な海水のみを原料にした天然海塩です。
天然海塩とは?
海水1リットルから摂れる塩はたった30g程度。それを自然にまかせて作るのは、日本では非常に難しいことです。そのため、伯方の塩など多くのメーカーでは、メキシコやオーストラリアの天日海塩にミネラル豊富な日本の海水を混ぜ、一旦ボイラーで煮詰めてから不純物を取り、自然乾燥させるなど独自の製法で塩を作っています。
実のところ、メキシコやオーストラリアの天日海塩は塩化ナトリウム以外のミネラルがそれほど含まれていません。しかし、日本の海水だけを使用し、太陽熱だけで乾燥させようとすると手間暇がかかり、しかも1~2年かかりますから、1㎏で3,000円以上になってしまいます(海の精ほししお(青)の場合)。
できればすべて国産を使いたいところですが、それが無理でもできるだけ自然の力で作られた塩を使いましょう。
おわりに
今回は、人体に不可欠な塩についてお話させていただきました。
偽物の食塩を取ったり、無理に添加物まみれの減塩しおを摂ることで、元々ミネラル不足の土壌に住む日本人はさらにミネラル不足を招いてしまいます。
本物の塩にはカルシウム、カリウム、マグネシウムなど血圧を正常にし動脈硬化を防ぐといわれるミネラルが豊富に含まれています。
本物の塩を買い求め、おいしいと感じる量を使用していただき、ぜひ健康的な体を手に入れてください。