東洋はり灸整骨院の石丸です。
健康づくりに役立つ情報を、東洋医学の視点でとらえてお届けしています。
今回は、食生活編シリーズ「味噌」についてお話させていただきます。
本物の天然醸造味噌とはどういうものか、日本古来の伝統食品である本物の味噌が体に良い理由、入手方法なども併せてご紹介します。
体にいい味噌とは? 解説動画
近年の食生活の傾向と危険性
最近の減塩ブームで、味噌や醤油を控えたり、減塩ものを使用する人が増えています。
また、朝は和食より洋食をとる人も増え、「ご飯とお味噌汁」より「パンとコーヒー」のほうが手軽で良い、と考えている人も多いようです。
確かに、ご飯を炊いたりじっくり出汁を取って味噌汁を作るのは時間がかかります。購入したパンとインスタントコーヒーやコーヒーマシンが作ってくれるコーヒーのほうが時間短縮になることは確かです。
しかし、酸化したパン粉で焼かれたパンと、体を酸性化させるコーヒーを朝食にすることが本当に健康に良いのでしょうか。それぞれについて考えてみましょう。
パン
パンは小麦粉をはじめとした穀類で作られますが、すべて粉に挽いてから使用されます。
それだけ空気に触れる部分が増えるので、粉はどんどん酸化していきます。
コーヒー
コーヒーも、既に挽いてあるものはあっという間に酸化します。
「抗酸化成分」と謳ったものがよく売れることからもわかるように、酸化したものは体の老化を早めます。
欧米人のほうが皮膚の老化が早いことと、彼らがパンとコーヒーを常食とすることには何らかの関連があるように思います。
味噌の効果と効能
東洋医学では、過度の減塩は推奨していません。良質な食品から適度に塩分を摂取することが、健康に不可欠だと考えています。
また、塩分を多少摂りすぎた場合には排出させることができるよう、内臓の機能を高めることこそが、本当の健康につながるのです。
味噌は発酵食品
あまりに身近で忘れている方が多いのですが、味噌はヨーグルトやチーズと同様、発酵食品です。発酵食品が良いといわれるのは、元の食材の栄養価や風味が高まることと、発酵することにより乳酸菌が生まれるからです。
乳酸菌には腸内の善玉菌を増やし、腸内環境を整える働きがあります。
しかし、どんな発酵食品でも体に良いとは限りません。
便秘のためにヨーグルトを食べている女性は多いようですが、メーカーや菌の種類によって効果が出たり出なかったりすることは、よく知られています。
その点、味噌・醤油・納豆など日本古来の食品は、2000年以上前から日本人が食していた大豆から作られるため、より日本人に合っています。
東洋医学の視点からいうと、日本の自然に醸造された良質の発酵食品は日本人の体に負担がかかりにくく、健康増進に最適な食品だと考えられます。
本物の味噌とは?
味噌という名前がついて売られているものなら何でも良いというわけではありません。
私の言う本物とは、「天然醸造味噌」のことです。つまり、1~3年自然にゆだねて熟成させた味噌をいいます。
ホンモノの味噌はいくつか種類があり、代表的なものが
- 豆味噌
- 麦味噌
- 米味噌
です。
名前の通り、大豆・麦・米の量によって差が出ますが、どれも良質な原材料と麹が使われています。
危険な味噌とは?
スーパーなどで安価で販売されている味噌の多くは、残念ながら偽物です。
具体的には、10日~2か月という短期間で機械的に作られる速醸法の味噌です。短期間で無理やり発酵させるために、多くの添加物が含まれています。
- 化学調味料
- 粘着防止剤
- 品質改良剤
- 保存料
- 着色料
- 漂白剤
などの化学薬品はもちろん、表示義務のない怪しげな添加物も混入しているかもしれません。
古い原材料で作られている?
また、原材料として使用される大豆や米は備蓄された古いものだったり、海外からの安価な輸入品が多く使われている可能性もあります。
古古米を使用していることもあると聞きますが、実際に家庭で古古米を使用して味噌を作ろうとした方によると、古古米を蒸しあげた時点で色がオレンジ色になったそうです。
これは米に含まれる脂質が酸化したことが原因で、油焼けしたような妙な臭いが出ます。
当然、まともな味噌にはならないわけですが、これらを着色したり脱臭したりした上で、化学調味料で味をごまかして販売されているとしたら、味が良くないだけでなく体への悪影響も大きいのではないでしょうか。
味噌の種類によって効果が違う?
味噌は、一番体を温めるのが豆味噌で、麦味噌、米味噌と続きます。ですので、冬場は豆味噌を多く、夏は麦味噌や米味噌を摂ると良いのです。
東洋医学では、それぞれの食品の陰陽を利用して、身体のバランスを整えることが大切だと考えています。
慢性病や不快な症状が長く続いている場合は、豆味噌を積極的に摂りましょう。
体に良いといわれる味噌にも、それぞれの種類で違った効能・効果があることを知っていただきたいと思います。
本物の天然醸造味噌は手作りできる
私も味噌を手作りしたことがありますが、半日もあれば結構な量が作れます。食べられるようになるまでには時間がかかりますが、決して難しくはありません。
大豆を鍋(圧力鍋があれば時間短縮)で煮て、米麹、塩を混ぜるだけですし、インターネットで作り方もたくさん掲載されています。
味噌になるまでに約1年程かかりますが、偽物との味の差は歴然としており、体にも大変良いのです。
本物の味噌を手に入れるには?
そうはいっても「なかなか作れない」という場合は、
などの自然食品店でホンモノの味噌を手に入れることができます。
どれも、作り手の思いと自然のパワーがこもった素晴らしい味噌ですので安心です。
機械には決して出せない作り手の愛情は、味噌の中の「気」になり私たちの体を癒してくれるでしょう。
おわりに
いかがでしたか?
一言で味噌といっても、良いものや悪いもの、より体に効果的なものがあることを知っていただけたでしょうか。
人間の身体は、食べたもので作られます。私やスタッフがお客様の身体や心を改善できるのは、本物の食材や調味料を使用したものを毎日食べているからです。
体の不調を改善させたい方は、ぜひ毎日の食に「本物の味噌」を取り入れてください。