東洋はり灸整骨院の石丸昌志です。
今回は、自律神経失調症の西洋医学と東洋医学の捉え方や違いについて、お話させていただきます。
自律神経失調症は原因不明?
近年よく聞くようになった自律神経失調症ですが、ある本によると、「病気らしい症状があるのに、検査しても原因がわからない時、『とりあえず』つける診断名」だそうです。
確かに病名というものは必要かもしれません。
- 頭痛
- めまい
- 微熱
- 不眠
- 冷え
- 嘔吐
などを繰り返しているのに、原因も病名もわからないというのは非常に不安です。
よく、いくつもの病院をたらいまわしにされた患者さまから「やっと病名が分かって、むしろほっとした。」という話を聞きます。しかし、病名がわかっても治らないのであれば、意味がありません。
自律神経失調症も、性格や生活習慣、ストレスなどが原因と考えられていますが、西洋医学(病院)では精神安定剤や自律神経失調製剤、ビタミン剤などで症状を抑えるだけで、病気を治すことはできません。
自律神経とは?
自律神経とは、簡単に言うと私たちの意志ではコントロールできない神経のことです。
例えば、物を取ろうとする時、まず目からの情報が神経を通して脳に行き、脳が神経を通して手に命令を送り、手が動くのですが、自律神経はこれらの神経とは全く違います。
暑い時に汗をかいて体温を下げたり、心臓のポンプを動かして血液を全身に巡らせるといったような、生命を維持するための神経なのです。
自律神経の中枢は脳の視床下部(ししょうかぶ)と呼ばれる部分にあります。
ところが、そのすぐそばに「本能」を支配する大脳辺縁系と、「理性」を支配する大脳新皮質があります。
「自律神経がこの2つのせめぎ合い、板挟みになり、バランスが崩れてしまうこと」、これを西洋医学では自律神経失調症と呼び、身体的な異常がないのに不定愁訴(ふていしゅうそ)などの症状を訴えると、すべてこの病気だと判断する傾向があるようです。
交感神経と副交感神経について
自律神経には、交感神経と副交感神経があります。
交感神経
日中に働き、活動・緊張などを司るのが交感神経で、「闘争と逃走の神経」と呼ばれています。筋肉や血管を収縮させ、血圧を上昇させる働きがあります。
副交感神経
副交感神経は夕方から優位になる神経で、全身をリラックスさせ、筋肉や血管を拡張させ、消化管の働きを活発にします。
人間の体と生活習慣
約130年前まで人間は太陽と共に起き、暗くなったらロウソクのわずかな光を頼りにし、数時間後には床についていたものです。人間の体は太陽と共に生活するようにできており、これは電気が身近になり、生活スタイルが変わろうと変化しません。
ところが現代社会ではストレスや生活習慣の変化によって、夜になっても交感神経が優位なままでなかなかリラックスできないことも多くなりました。
脳の視床下部は自律神経だけでなく女性ホルモンの分泌も司っているため、生理不順やPMS、不妊症の原因にもなります。
東洋医学で自律神経を調整しよう
東洋医学では、交感神経と副交感神経を「陽」と「陰」と捉えます。
陰陽のバランスが取れていると健康が維持できると考えられているため、このバランスを正常にするための施術を行います。すると自己治癒力が上がり、ストレスに負けない健康な心身を得ることができるのです。
特に自律神経失調症の場合は交感神経がずっと優位になっており、血管が収縮し、血流が悪くなっていることが多いものです。血流が悪くなると体温が下がり、冷えにつながります。
東洋医学では、こういった場合には鍼や灸で気血の巡りを良くして冷えを改善し、交感神経と副交感神経のバランスを整えます。
すると、
- 頭痛
- めまい
- 微熱
- 不眠
- 冷え
- 嘔吐
などの諸症状が改善され、健康な毎日を送れるようになるのです。
夜勤や24時間制のシフト勤務などで昼夜が逆転しがちな場合は難しい面もありますが、お悩みの症状が緩和される方はたくさんいらっしゃいます。
東洋医学は原因不明の症状にも対応
東洋医学によって自律神経失調症が改善するケースはとても多いです。
患者さまによって原因は精神的なもの、身体的なもの、更年期障害など様々ですから、どんな時にどんな症状が出るのか、カウンセリングでしっかり聞き取りをします。
- めまい
- 眼精疲労
- ドライアイ
- 耳鳴り
- 喉の異物感
- 味覚障害
- 動悸
- 胃腸障害
- 多汗
- 頻尿
- 倦怠感
といった肉体的な症状や、
- 感情的
- 不安感
- 無気力
- 集中力低下
など心の症状があり、自律神経の乱れは全身に及びます。
こういった症状から全身の調和を乱している原因が何なのか突き止め、全身をみながら施術を行うのが東洋医学です。
あくまでも全身の調和を一義に考える東洋医学と、各症状をバラバラに治そうとする西洋医学の違いがお分かりいただけたでしょうか。
自律神経失調症の解説動画
おわりに
東洋医学は、西洋医学では原因不明と言われる症状の改善を得意としています。
「気・血・水」という見えないものをツボや経絡を通して感じ取り、カウンセリングし、鍼灸施術を行います。
ですので、病院をはじめ西洋医学で改善されなかったからといって諦めないでください。
現在、自律神経失調症でお悩みの方は、ぜひ一度東洋医学専門の東洋はり灸整骨院へお越しください。スタッフ一同全力でサポートいたします。