腰痛は中高年だけの症状ではありません。最近は10代でも腰を痛めている人が増えているといいます。
日常生活では背中を丸めて何かをすることが多いため、上半身を支える腰は痛みを感じやすい部位といえるでしょう。
腰痛があると、行動範囲が狭まってしまいます。
- 「旅行に行きたいけれど、回りに迷惑をかけるから..」
- 「買い物を楽しみたいけど、腰が痛んで座ることばかり考えてしまう」
- 「座っていても腰が痛み、不安で運転ができない」
など、日常生活の色々なことに支障が出てしまいます。
そこで本日は、腰痛のツボ「孔最(こうさい)」についてお話させていただきます。腰痛の症状を軽減するツボを東洋医学の話を交えて解説します。
上肢のツボ 孔最(こうさい)
腰痛のツボはたくさんありますが、今回ご紹介するのは一度覚えてしまえば取りやすい孔最(こうさい)というツボです。
ツボは痛みの周囲にあるというイメージの方が多いと思いますが、このツボは腕にあります。
東洋医学ではからだ全体はつながっていると考えるので、不快な症状を軽減するツボがその部分付近にあるという固定観念がありません。腰のツボが腕にあったり足にあったりします。
これは、一人一人の患者さまを実際に触れることによって蓄積された、中国4000年にも及ぶ東洋医学の経験に基づくものです。
孔最もその中から発見されたツボで、腰痛の対症療法としては大変有効ですので、ぜひ試してみてください。
孔最の場所と刺激方法
ツボの位置を見つけることを「ツボを取る」といいます。
孔最のツボの取り方は、こちらの動画をご覧ください。
- 肘を軽く曲げると、折り曲げた横線ができます。
- 横線を触ると、親指方向に向かって固い腱があります。
- そこから指3本分(三寸)下に下がったところにあるのが孔最です。
両腕の同じ位置にありますので、どちらも少し痛い程度にグリグリ刺激してください。
ツボへの刺激だけではよくならない?
腰痛といっても、人によって
- 前かがみになると痛い
- 体を反ると痛い
- 座っていると痛い
- ひねると痛い
- 腰がだるい
- しびれた感じがある
- 背中も同時に痛みが走る
- 腰が突っ張るなどの症状がある
- 痛む時も朝、夜、梅雨、冬、季節の変わり目と異なる
など様々です。
また、腰痛にお悩みの方をカウンセリングすると、ほとんどの場合、他の症状にも悩んでいます。
- 手足の冷え
- 生理痛
- 子宮筋腫
- 頭痛
- 鼻炎
- 花粉症
- アトピー
- 胃腸障害
- 抵抗力がなく風邪やインフルエンザにかかりやすい
などの症状を持っています。
婦人科や内科、耳鼻咽喉科、胃腸科などでそれぞれみてもらっても一向によくならず、あきらめてしまっている方も多いようです。
このように腰痛以外の症状もある場合、孔最のみで改善することは難かしいでしょう。ですので、孔最への刺激は腰痛を軽くするものと考えてください。
病院のレントゲン検査はあてにならない?
西洋医学(病院)では、腰痛のうち原因が特定できるのは15%程で、残りの85%はレントゲンやMRIで検査しても特定できる原因がないといわれています。
腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症などは原因が特定できる腰痛ですが、それ以外は、
- 筋肉の炎症や硬直による痛み
- そこからくる精神的ストレス
- さらにストレスから神経が過敏になり、痛みを強く感じる
という悪循環から起きていると考えられています。
一般的な腰痛の治療法
主な治療法は
- 薬
- 神経ブロック注射
- リハビリ
などですが、すべて腰部への処置であり、他の部分をみることはありません。
整形外科でされる牽引は主に腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症の場合に行います。しかし、「木の枝(末梢神経)を治すために、木の幹(中枢神経)を折る」ともいわれ、とても危険な方法です。
マッサージやカイロは東洋医学ではない
また、カイロプラクティックやマッサージ、整骨院を東洋医学と考えている方もいると思いますが、実は違います。実際に施術を受けるとわかるように、腰痛には腰だけに施術を行うことがほとんどです。
東洋医学は体全体をみて施術をしていく医学です。脈やお腹、舌も見ない施術は東洋医学とは言えないのです。
体全体をみる東洋医学で根本改善を!
東洋医学では、不通促痛(ふつうそくつう)という考え方があり、「痛む原因は気がスムーズに流れていないから」と捉えます。
腰痛の場合も、腰の気が詰まっている根本原因を探すことからはじめます。その時に他の症状も確認することによって、体のどこに原因があるかを探り、アプローチしていくのです。
そのため、腰痛とは全く関係がなさそうに思えるどんな小さなことも聞き逃さず、患者さんの外見から見えてくる体質や症状も確認します。
そうすることによって、一人一人に合った鍼灸施術を行い、腰痛と同時に他の不快な症状をも一緒に改善していくことができるのです。
体全体をみて調整していくことで、結果的に腰痛が改善されるというのが、東洋医学なのです。
おわりに
いかがでしたか?
今回は、位置さえ覚えてしまえば手軽に押せる孔最というツボをご紹介しました。
腰痛をはじめ、
- 喘息
- 風邪
- 発熱
- 痔
などの症状にも有効とされているツボです。動画を何度か見て、位置とその取り方を覚えてくださいね。
しかし、これだけでは根本的に解決するわけではありません。
腰痛になりにくい体作りのために、ぜひ東洋医学専門の東洋はり灸整骨院へご相談ください。気の流れを良くすることで腰痛以外の症状も改善していきます。
足腰に不安を感じることなく過ごせるよう、国家資格を持つ鍼灸師がサポートさせていただきます。