東洋はり灸整骨院の石丸昌志です。本日は、夜尿症についてお話しします。
実は、鍼灸は夜尿症に大変効果が期待できます。今回はその理由についてくわしく解説していきます。
ぜひ参考にしていただければ幸いです。
夜尿症の解説動画
夜尿症とおねしょ
夜尿症とは、いわゆる「おねしょ」のこと。厳密にいうと、
- 幼児期の夜尿を「おねしょ」
- 小学校入学前後の5~6歳になると「夜尿症」
という表現に変わります。
これは、5~6歳になってもおねしょをしなくならない場合、一種の病気である、という西洋医学の捉え方からきています。
おねしょは小学生の10~20%、中学生でも1~2%の子供に見られる症状です。
おねしょは本人も親も悩んでいる
命にかかわる病気ではないとはいえ、学童期にはいってからのおねしょは、本人にも家族にもプレッシャーとなるでしょう。
おねしょは寝ている時に起こるため、本人にコントロールすることはできません。それがわかりながら、つい
- 「もう小学生なのに、恥ずかしいでしょ!」
と叱ってしまいさらにプレッシャーを与えてしまったり、
- 「まわりの子はおねしょなんて卒業しているのに、なんでうちの子だけ…。」
- 「泊りがけの旅行に行けなくて、かわいそう…。」
と親も心配してしまうでしょう。
夜尿症のつらさ
乳児期から幼児期までは膀胱(ぼうこう)が未発達なので、おしっこを溜めることができずおねしょをしてしまいます。ところが、膀胱の機能がある程度発達した小学生頃になってもおねしょが続くお子さんは、10人に1~2人程度います。つまり1クラスに5人ほどいるわけですから、決して珍しい症状ではありません。
しかし、まわりにおねしょを相談するのもはばかられ、ネガティブなイメージが定着しているだけにつらい思いをしている親御さん、そしてお子さんは多いのです。
問題なくおねしょを卒業した人からは、
- しつけが悪い
- 育て方が良くなかった
- 子供に我慢が足りない
- みっともない
- かわいそう
と責められたり、噂され親も子も大変傷ついてしまいます。
おねしょがいじめの原因に?
特に現代は小学生でもいじめが問題になっており、おねしょをすることがまわりに知られたら、それだけでいじめの対象になってしまうこともあります。そうなると宿泊行事や校外学習に参加することが怖くなったり、プレッシャーで昼間でもおもらしをしてしまう子もいると聞きます。
夜尿症は親にとっても子供にとっても大変つらい症状なのです。
西洋医学は薬で抑えるしかない?
西洋医学では、夜尿症の原因は、
- 睡眠中に膀胱のサイズ以上に尿ができてしまうこと
- それに気づかず目が覚めないこと
とされ、遺伝的要因もあるとされています。
しかし、いくら寝る前の水分を控えてもおねしょが止まない場合、原因不明となります。
大事なお子様を薬害から守るために
薬物療法として、
- 副交感神経遮断薬
- 抗利尿ホルモン薬
- 抗うつ薬
などを処方されることが多いようです。
しかし、西洋医学で処方される薬には、
- 食欲不振
- 不眠
- 嘔吐
- 頭痛
- めまい
などの副作用があります。
先ほど述べた3つの薬について、もう少し詳しく見ていきましょう。
1.副交感神経遮断薬
副交感神経遮断薬は膀胱に尿を溜める抗コリン作用があるのですが、これは副交感神経を遮断することによって作用します。
しかし、副交感神経は良い睡眠のために非常に大切な神経です。副交感神経が働かないと眠りが浅くなったり、ストレスが溜まりやすくなります。
2.抗利尿ホルモン薬
抗利尿ホルモン薬は尿の量を一時的に減らす薬です。効果が高いため泊りがけの行事の際に飲むことが多いようです。
しかし、出るべき尿を作らせないため、体内に水分が滞留し、水中毒(水毒)を起こす危険性が知られています。すると体が冷え、水分代謝が悪くなり水中毒に陥ることになります。ですので、小さなお子さんには大変危険です。
3.抗うつ薬
抗うつ薬は、副交感神経遮断薬と同様膀胱に尿を溜める作用があります。こちらは睡眠を深めることで尿意を起こさなくなります。ですが、睡眠を深めるはずが不眠症に陥る例も散見されており、その他食欲不振や吐き気などを訴えるお子さんもいます。
しかも、作用の強い薬から弱い薬へと移行し改善したお子さんもいますが、薬を止めると夜尿症が再発することも多いため、根本的な解決になるとは限りません。
このような副作用がある西洋医学の薬を、育ち盛りのお子さんに長期間与えることは避けたいものです。
自然治癒で治る確率
かといって、自然治癒に任せるのも心配でしょう。
7歳の時点で夜尿症の子供は、
- 10歳で約25%
- 12歳で約55%
- 15歳で約86%
自然治癒するという統計があり、中学生になる段階で約半数がまだ夜尿症を患っていることになります。その年頃の子供は自我もしっかりしはじめ、自分が夜尿症を患っているということで深く傷つき、自尊心が低下してしまいます。また、夜尿症の期間が長引くほど施術は難しくなるとされています。
そんな時、受けていただきたいのが東洋医学の鍼灸施術です。東洋医学では対症療法ではなく、全身をみて根本から改善していきます。そして、東洋医学なら薬の副作用を心配もないので安心できるでしょう。
東洋医学は体質を変え、機能を高める
東洋医学は、
- 鍼灸
- 漢方
- 食事療法(薬膳)
- 運動療法
などを組み合わせた、4000年以上の歴史がある経験医学です。実際に病に苦しむ方たちを改善しながら築き上げてきたものです。症状が同じであっても原因は人それぞれであることを知っています。
例えば、高齢出産で生まれた子供は先天的に膀胱の機能が弱い場合もあります。また、肺の機能によるもの、肝系に問題があるものなど、根本的な原因は様々です。
そういったことを、
- 脈
- 顔色
- 話し方
- 舌の色形
- 便尿の量・色・匂い・硬さ
などを観察することで情報を集め、一人ひとりに合った施術を行っていきます。そして、夜尿症を引き起こす体質を少しずつ変え、体の機能を高めていくのです。
夜尿症の原因は泌尿器系の問題
東洋医学では、夜尿症は排尿をコントロールする腎と膀胱の問題が原因だと考えます。特に泌尿器系の機能が未発達だったり、機能不全であることがほとんどです。ですので、この機能を高めてあげれば良いということになります。
東洋医学はこういった機能改善が得意分野ですから、安心して施術を受けていただけます。
東洋はり灸整骨院にも、夜尿症に悩んで来店されるお子さんはたくさんいますが、これまでに改善しなかった症例はありません。おねしょ外来などの夜尿症専門病院でよくならなかった場合でも、改善する自信と実績があります。
※施術効果には個人差があります。
3歳以上のおねしょは小児遺尿
ちなみに、中国医学では3歳以上のおねしょを小児遺尿と呼び、常習的に毎晩おねしょをすると病気であると捉えています。
もちろん、トイレトレーニングの最中でまだうまくできないお子さんも多いと思いますが、トレーニングがうまく行かないと感じた時は、ぜひご相談ください。
小児鍼の施術
おわりに
おねしょは親御さんにとっても悩みの種ですが、本人にとってはそれ以上の苦しみです。
お子さんを責める前に、東洋医学専門の鍼灸院にご相談ください。
東洋はり灸整骨院では、免許取りたての鍼灸師ではとても任せることのできない小児鍼にも力を入れています。ぜひ一度ご来店ください。