- 「いつも肩こりがひどい」
- 「最近首が痛くて、頭痛もする」
- 「手足のしびれが続く」
このような症状がずっと続くようであれば、頚椎症(けいついしょう)を疑いましょう。
整形外科で「加齢によるもの」と一言で片づけられ、つらい思いをしている方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、ご安心ください。
西洋医学(病院)では改善しなかった頚椎症も東洋医学専門の鍼灸で改善するケースはたくさんあります。
それでは、これからこの頚椎症が東洋医学で施術可能な理由について解説させていただきます。
西洋医学が考える頚椎症
頚椎とは、簡単にいうと首の骨のことです。成人体重の約8~13%の重さがある頭を首で支えているので、負担がかかりやすい部位とされています。
頚椎は7つの骨が連なっており、それぞれの骨の間には椎間板(ついかんばん)というクッションの役割をしている組織があります。
これが加齢などで変性することによって骨同士がこすれたり、骨が増殖してとげ状になり、神経を圧迫することで起こるのが頚椎症です。
2つの頚椎症
この症状によって、
- 頚椎症性神経根症
- 頚椎症性脊髄症
に分かれます。
同じ原因によるものでも神経のどこかしらに障害を受け、どんな症状が出ているかによって分類が分かれ、
- 頚部神経根症
- 頭部脊髄症
- 頚椎椎間板ヘルニア
などは厳密には脊椎症とは分けて考えられ、治療法もそれぞれ違います。
頚椎症の特徴
頚椎症の場合、代表的な症状が首のこりや痛みで、朝のうちは症状がなく、時間がたつにつれて痛みが出てくるという特徴があります。
そのうち肩こりや痛みが起こるようになり、圧迫されている神経の場所によって、
- 首から肩、腕に強い痛みが走る
- 両手がしびれる
- 指がスムーズに動かなくなる
- 足がもつれる
- 排尿や排便もうまくできなくなる
などががあります。
頚椎からつながる脊髄には四肢を支配する神経があるため、症状が全身に出るのです。
また、異常のある頚椎椎間板の位置によって、どの指に反応が出るかが違います。第五頚椎椎間板の場合は親指、第六頚椎椎間板の場合は中指、といったかたちです。
手指の感覚が鈍り手先の細かい仕事が不自由になり、手の筋肉が萎縮し手指が変形することもあります。
痛みは人によって違いますが、ひどくなると頚椎を後ろにそらすだけで激痛が走ることもあります。
整形外科へ行くと、首のレントゲンを撮り、頚椎の状態を確認することになります。しかし、レントゲンの検査で確認できるとは限らないのです。
レントゲン・CT・MRIには限界がある
レントゲン・CT・MRIは撮られる人間を固定した状態で撮影します。
しかし、レントゲンには脊髄が写りませんし、取り方や位置によっては椎間板の状態や圧迫された神経の根がうまく確認できません。その画像をもって判断されると、患者さまの自覚症状と全く違うことが多々あるのです。
実は画像と自覚症状に大きな差が出ることは知られており、一致するのはわずか2割程度だと日本整形外科学会も認めています。
そのため、レントゲン・CT・MRIのほかに、
- 実際に手を開いたり閉じたりしてもらう10秒テスト
- 頚部を圧迫して検査するスパーリングテストとジャクソンテスト
といったものがありますが、痛みやしびれは感覚的なものであるため、画像結果の欠点を完全に補うことはできないでしょう。
西洋医学による頚椎症の治療
頚椎症は椎間板の老化が原因とされていますが、この老化した椎間板を若返らせることはできません。そのため、薬物療法や温熱療法で状態をそれ以上悪くしないようにする方法が主になります。
非ステロイド系の消炎薬や筋肉のこりをほぐす筋弛緩薬を内服または外用し、理学療法で、
- 牽引
- 電気
- 温熱療法
などを行います。痛みやこりがひどい時にはブロック注射で局所麻酔薬を行う場合もあります。
これらの保存療法では効果が見られない場合には、神経の圧迫をなくす手術を行います。
しかし、圧迫されて損傷した神経は修復不可能なので、症状の軽快は見込めますが根本的な改善は難しいでしょう。
また、頚椎からつながる脊髄には四肢を支配する神経が通っているため、万が一それらの神経が手術で傷つけられた場合、後遺症が残ってしまう可能性もあるのです。
レントゲンに頼らない東洋医学
人は、眠っている時でも動いています。
頚椎症でも、痛みを感じたり感じなかったりする角度や位置があります。しかし、レントゲン・CT・MRIは静止画像ですから、動いた時にどうなるかまでは判断することができません。
実際に脊椎症は椎間板だけの問題ではなく、神経や筋肉も大きく関わっているため、動きをトータルで見ることが必要です。
東洋医学では、人体は常に、
- 臓器
- 筋肉
- 組織
が調和して正常な働きをしようとしている、と考えます。
その正常な働きができなくなった時、それを知らせるために痛みや麻痺などの障害が出るということです。例えば、肩が血行不良になると、こりという症状で教えてくれるわけです。
頚椎症の原因は老化や劣化?
また、頚椎症の原因を老化や劣化の一言で片づけることもしません。
確かに頭は5キロ前後あり決して軽いものではありませんが、頚椎は腰椎や胸椎に比べて小さく、身体的には頚椎で十分頭を支えられるようにできています。
それどころか、現在でも多くの国では子供から老人まで、荷物を頭に乗せて運ぶことが当たり前ですし、昔の日本でも海産物行商の際には、20キロ以上の魚などを頭に乗せて運ぶ「頭上運搬」が普通だったそうです。
ですから、頚椎症は簡単に老化・劣化するものではないと言えます。
頚椎症の真の原因
それなのに、なぜ頚椎症になるのか?
それを全身をみて原因を探り、一人一人にあった方法で全身を調和させ、症状を緩和させていくのが東洋医学です。
「頚椎症は骨の病気だから骨のゆがみを治せばいい」といった考えはありません。ゆがんだ原因を見つけ出さなければ、一時的に痛みを止めてもまた必ずぶり返すからです。
東洋医学では、周囲の筋肉や各臓器との関係性を正常に整え、身体の機能を高めることが症状を改善させる唯一の方法だと考えています。
頚椎症の解説動画
おわりに
頚椎症は、放置すると全身に症状が及び、日常生活もままならなくなります。
これまでに整形外科へ通ったけど一向によくならなかった方は、ぜひ東洋医学専門の鍼灸院である東洋はり灸整骨院へお越しください。
薬や注射、手術をすることなく、副作用の心配もなく、症状が改善されたと喜んでいただけることが、私たちの喜びです。
国家資格を持つ鍼灸師が全力でサポートいたします。ぜひ一度ご相談ください。