東洋はり灸整骨院の石丸です。
本日は、「季節の変わり目の体調不良は東洋医学で改善できる」と題してお話しします。
季節の変わり目について 解説動画
風暑湿燥寒とは?
毎年特定の時季になると「ぎっくり腰を起こす」、「耳が痛くなる」などと訴える方がおられます。特定の時季というのは、春、夏、秋、冬の季節の変わり目や外気の変化を指すものです。
東洋医学では、この外気の変化を「風暑湿燥寒」と言います。
- 風が強くなる春
- 暑くなる夏
- 湿気が強くなる梅雨
- 乾燥してくる秋
- 寒くなる冬
という意味です。
低気圧
また、台風が近くなると頭痛が起きるなど、低気圧に敏感な方もおられます。
しかし、そういった症状を脳神経外科や頭痛外来で訴えても、症状は改善できないでしょう。こういった場合は、低気圧に影響を受ける体質そのものを改善しなければならないからです。
満月や二十四節季でも体調を崩す?
その他に、満月や二十四節季で体調と崩す方も少なくありません。
二十四節季というのは、およそ2週間に1度の頻度で起きる外気の変化のことです。よく知られているのは、
- 2月4日の立春
- 5月5日の立夏
- 8月7日の立秋
- 11月7日の立冬
などです。
患者さんの増える時期
当店にも、あるタイミングで特定の症状を訴える方が増えることがあります。
例えば、立春の2月4日になる1週間ほど前から
- 坐骨神経痛
- ぎっくり腰
- 寝違え
- 頭痛
などの方が増えるのです。
8月6日の立秋を迎えれば、また違う症状を訴える方がおいでになるでしょう。喘息の方の症状が悪化するのも、この立秋が契機になることが多いようです。
体表面の防衛力
東洋医学の考え方では、季節の変わり目、外気の変化に弱い方は、体表面の防衛力が弱いということになります。
体表面の防衛力が弱いせいで、外邪に侵されるわけです。外邪というのは東洋医学独特の表現ですが、外からの変化だとお考えください。
ここで、「体表面の防衛力」についてご説明します。すこし変わった表現かもしれませんが、皮膚の外側があなた以外のものであり、皮膚の内側があなただと考えてみましょう。
この、あなたとあなた以外を区切る体表面を、東洋医学では「腠理(そうり)」と言います。
腠理とは
腠理の防衛力が弱いというのは、体表面がザルの目のようになっている状態を指します。この状態になると、身体の機能が乱れ、さまざまな症状が出ることになるのです。
この体表面の防衛力を上げるためには、腠理を引き締めるための施術が必要です。腠理が引き締まれば、外邪に侵されることもなくなります。
外気との関係
呼吸は外気とのやり取りのため、呼吸器系が弱い方も、外気の変化で体調をくずしやすくなります。
また、
- アレルギー性鼻炎や蓄膿などといった症状のある方
- 風邪をひくと咳が続いたり、喉の痛みが生ずる方
- 手足の末端が冷えやすい方
- 乾燥肌やアトピーなどの症状がある方
- 便秘の方
なども、外気の変化に影響を受けます。
これらの症状がある方は、季節の変わり目に、
- 目の奥が痛くなる
- 胃の痛みや股関節の痛み
- 頭痛や浅い眠り
- 気分の落ち込み
- 生理不順
- 円形脱毛症
- 皮膚症状
- 背中や首の痛み
- 腰痛
- 足の痛み
といったあらゆる症状が出てくることになるのです。
季節の変わり目に、こうした症状を訴える方は多く、症状も多岐にわたります。
西洋医学は季節を考えない
私どもはこうした「風暑湿燥寒」を常に考慮しながら鍼灸施術にあたっていますが、西洋医学の医師は、外気と体調の関係には気づかないはずです。
「立春が近いからぎっくり腰や坐骨神経痛の症状が出る」と考える整形外科の医師はいないでしょうし、立春と頭痛を関連づける脳神経外科の医師もいないでしょう。
骨や脳を見て診断をすませてしまうのは、間違いです。患者さんがもともと弱いところが外からの変化に対応ができず、さまざまな痛みが生じているのですから。
おわりに
いかがでしたか?
今回は、季節の変わり目に出る症状についてお話させていただきました。
東洋医学で、呼吸器系や体表面の防衛力を上げれば、季節の変わり目にも体調を崩さないようになり、毎年特定の時季に出ていた症状もなくなります。
季節の変わり目に体調を壊す方はぜひ、東洋医学専門の鍼灸院においでください。