東洋はり灸整骨院 院長の石丸です。
今回は、てんかんをお困りの方に向けて東洋医学がどうアプローチするかについてお話しします。
「森を見て木を治す」東洋医学
東洋医学についてお話しする際にぜひ知っていただきたいのが、東洋医学と西洋医学の違いです。西洋医学は、てんかんの症状がある患者さまがみえたとき、てんかん以外の症状に全く目を向けません。これを「木を見て森を見ない西洋医学」と私たちは言い慣わしています。
一方の東洋医学は、てんかんの症状以外の症状についてもくわしく見ていきます。これを「森を見て木を治す」と言いますが、てんかんという1本の木を見る前に、森全体を見て森を整え、木を治すということです。
同じ医学とは名がつくものの、東洋医学と西洋医学にはこのように大きな差があり、てんかんに限ったことではありません。慢性症状全般について、同様のアプローチがなされているのです。
東洋医学のアプローチの仕方
東洋医学がどのような方法で「森全体」を見ていくのかについて、もう少し詳しくお話ししましょう。
たとえば、てんかんの症状にお困りの方がおられたとします。鍼灸師は、てんかん以外にどのような症状があるか、こと細かにうかがっていくでしょう。てんかんとアレルギー、肩こり、腰痛の他に、生理痛や生理不順を含めた婦人科系の病があるかもしれません。また、巻爪、爪の縦線、末端冷え性、眼精疲労、斜視、緑内障などを訴える人もいるでしょう。
東洋医学がてんかん以外にどのような症状があるかを注意深くヒアリングしていく一方で、西洋医学はまったく異なります。これら、てんかんの症状で脳神経外科に行ったとしても、何の注意も払われません。肩こりや腰痛があるなら整形外科、生理痛や生理不順は婦人科、巻き爪は形成外科、アトピーは皮膚科、眼精疲労や斜視、緑内障は眼科へと振り分けられます。
しかし、身体はその全てがつながっています。目だけ、皮ふの一部だけが宙に浮いているわけではありません。東洋医学がその方の全体像を把握するのに全力を尽くすのは、そのためです。全体像を見て、どこに問題があるかを理解し、解決すれば、さまざまな症状が改善されていくのです。
火の元はどこかを探る
例えば生理前や生理中にきまって頭痛がする人がいても、西洋医学ではその理由がわかりませんが、東洋医学では、婦人科系の経絡は脳までつながっている、密接な関係があると考えます。また、婦人科の経絡のツボとアレルギー症状、目の症状にも関連性があります。まさに、火のないところに煙は立たないというわけです。
先ほどさまざまな症状を挙げましたが、その一つひとつの症状は、病院では何ひとつ改善しません。これは、病院では煙だけを見て対応しようとしているから。病院で行うような対症療法では煙を払うことしかできないのです。
しかし東洋医学では、煙が上がっているのはここに火の元があるからだろうと考え、火の元を消していきます。火の元が消火されれば、煙ももちろん立ちません。その結果、てんかんの症状が改善する可能性も高まるのです。
てんかんの症状が出たとき、西洋医学にだけかかっているとあまり改善しません。これは、火の元を見ず、原因がわかっていないからです。西洋医学と比較すると、東洋医学は、その効果が出る可能性が圧倒的に高いと言っても過言ではありません。てんかんの症状にお困りの方は、西洋医学に加えて、東洋医学という選択肢にも目を向けていただきたいと願っています。
東洋医学という選択肢
東洋医学は日本国内で1500年の歴史を持っています。てんかんの症状にお困りの方への施術も昔から行ってきました。東洋医学が積み上げてきた経験と知識をもとに、何がてんかんを引き起こしているのかについても考察し、多くの方の症状を改善しています。
東洋医学が目指してきたのは、「改善」です。西洋医学のように、薬で症状を押さえつけてコントロールするということではありません。
東洋はり灸整骨院でも、一人でも多くの方の症状を改善できるように取り組んでまいりました。てんかんの症状にお悩みの方は、西洋医学だけでなく、東洋医学についてもぜひ選択肢のひとつに加えていただきたいと思います。
動画解説
基礎的な発作の分類
病院(西洋医学)との違い
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